日記:「いまさら翼といわれても」

古典部シリーズの現行最新短編集。 「巴里マカロンの謎」の感想を書いて、そういえば感想書いてなかったなと思ったので、書く。 日記:「巴里マカロンの謎」 - しゆろぐ 今回はネタバレなし。 折木奉太郎という人間 「鏡には映らない」「連峰は晴れているか…

日記:「巴里マカロンの謎」

小市民シリーズ11年ぶりの最新刊だそうです。心待ちにしていました。 国名シリーズ風のタイトル 小市民シリーズはこれまで『春期限定いちごタルト事件』『夏期限定トロピカルパフェ事件』『秋期限定栗きんとん事件』の3作が発売されていますが、『巴里マカロ…

日記:「虚構推理 スリーピング・マーダー」

虚構推理シリーズ第3弾。長編2作目。 1作目・短編集の感想はこちら。 日記:「虚構推理」 - しゆろぐ 日記:「虚構推理短編集 岩永琴子の出現」 - しゆろぐ 長編といっても、前半は連作短編のような感じ。 高校生時点での琴子のエピソードや、ラスボスポジシ…

日記:「虚構推理短編集 岩永琴子の出現」

虚構推理シリーズ第2弾となる短編集。 タイトルは「虚構推理」だが、一作目ほどには「虚構推理」をしていない短編も入っている。 どちらかと言えば、「虚構推理」シリーズの世界やキャラクターが出演する番外編という感じで、全部が全部「虚構推理」という感…

日記:「虚構推理」

アニメ化したので講談社タイガ版を再読。 ストーリーの大筋は覚えていたけど、キャラクターは全然覚えていないくらいの状態だったので、ノベルス版とタイガ版で変更点があってもわかりません。 なんといってもこの作品の肝はタイトル通り「虚構推理」にある…

日記:「君の名前で僕を呼んで」

音楽がいい映画だった。すごく。 DVDをレンタルしてみたけど、開始一秒OPの最初を見て、映画館に行けばよかったとすこし後悔した。 人間のやりとりや機微、恋愛を描いた映画って映画館で見なくてもいいかなーと正直思ってたけど、ちょっと反省。 全体的に透…

日記:私がブログを書く理由

新年一本目の記事なので、なにか最初っぽいことを書こうと思い立った。 私がブログを書く理由は、大きく分けて2つある。 芸がないが、2つとも最初に提示してしまおう。 (1) ブログを読むのが好きだから。 (2) 自分の考えを後から参照するため。 加えて、理由…

日記:「アラジン(実写版)」

ちょっと話題になってるアナ雪2のステルスマーケティングの件でアラジンも疑わしい行為があったとかなんとか。 ディズニー、「アナ雪2」以外でも“ステマ”あったと認める 「アベンジャーズ」「キャプテン・マーベル」「アラジン」でも類似行為か (1/2) - ね…

メモ:ダイマックスわざと語種

ポケットモンスターの最新作ソード・シールドには、どんなポケモンでも巨大化して戦うことができるようになる「ダイマックス」というシステムがある。また、特定のポケモンに限られるが、(大きさ以外の)見た目まで変化する「キョダイマックス」というシス…

日記:「ノッキンオン・ロックドドア」

イチオシのミステリ作家・青崎有吾の連作短編集を読みました。 日記:「体育館の殺人」 - しゆろぐ 日記:上半期に読んだミステリの感想 - しゆろぐ 日記:「図書館の殺人」 - しゆろぐ 最近、文庫化されたもので、コンセプトは「不可”解”担当と不可”能”担当…

日記:「犬も喰わない」

彩景でりこ先生の「犬も喰わない」という漫画を読みました。 表紙からしてオシャレ感漂う。 冒頭もいい。探偵が不倫の現場を抑えるために、ホテルの前に張り込んで、出入りするカップルについて論評していると、ターゲットがあらわれる。そのターゲットは、…

日記:「新米姉妹のふたりごはん」(6)

私は古畑任三郎シリーズで言うと、2nd seasonが好きだ。 1st seasonでできあがった定型に基づいて、すこしひねりが利いていたり、深みが出ていたりする作風になっているのが、古畑任三郎の2nd seasonだと思っている。勿論、1st seasonも素晴らしいが、「熟成…

日記:「新米姉妹のふたりごはん」(5)

お詫び。 前回の記事でこんなことを書いた。 料理に入るたび、長髪のあやりが髪を束ねる描写が必ずと言っていいほど入ってくるのがフェティッシュというか、作者が拘りを持ってそうだなと思う。 日記:「新米姉妹のふたりごはん」 - しゆろぐ そもそもあやり…

日記:パズルのような人間関係とその解法「やがて君になる」完結によせて

「やがて君になる」の8巻を読んだ。最終巻。8巻は、一冊のほとんどがエピローグという感じ。エピローグが長い話は好きだ。なんというか、エピローグというものは情報が断片的だからこそ、隙間に垣間見えるあらゆることが豊かに、輝いて見える。 このブログで…

日記:「新米姉妹のふたりごはん」

ドラマやってるらしいけど、そっちじゃなく漫画の方を4巻まで読んだ。 この作品の大筋は、親の再婚によって姉妹となった高校生の二人が、美味しい料理を作ったり食べたりしつつ、仲を深めていくというものだ。料理漫画であり、百合漫画でもある。 (comicwalk…

日記:ポケモン対戦の人が使う「見る」が気になる

ポケモン対戦の文脈で、おおよそ「AにBで対処できる」みたいな意味で「AをBで見(ら)れる」が使われることがあって、たぶん今更すぎるけど、ちょっと気になった。 対戦考察系サイトの用語集にも、「(~を~で)見る」という形で立項されている。 (~を~で)見…

日記:言葉にできないからといって

言葉にできないからといって、関心がないわけではないということを思う。 映画の感想に関する文脈で、「みんな、人間や物語については語ろうとするが、風景や画面といった映像については語らない」といった趣旨の話を聞いた。そしてそれに続く形で、「結局、…

日記:「ジョーカー」

ネタバレなし感想 見てきました。 バットマンシリーズの有名な悪役、ジョーカーが生まれるまでを描いた映画です。 ジョーカーの過去はシリーズでも一定ではないらしく、今回の過去もまた一つの解釈っぽいので、その辺は注意。「ないらしい」と伝聞形で書いて…

メモ:続編で「!」が増えるタイプのアニメタイトル

1.はじめに 「けいおん!」の二期が「けいおん!!」となるように、続編や2ndシーズンで「! (感嘆符・びっくりマーク) 」が増えるアニメの起源が気になるので調べてみた。 1.はじめに 2.結論 3.補足 3.1 データ 3.2 歴史 4.一覧 5.今後の課題 …

日記:「横浜駅SF」

横浜駅SFのweb版をちょっと読んだので思ったことを書く。 横浜駅SFは著者が行った以下のツイートに端を発したSF小説。 横浜駅は「完成しない」のではなく「絶え間ない生成と分解を続ける定常状態こそが横浜駅の完成形であり、つまり横浜駅はひとつの生命体で…

メモ:Google検索時の商品評価表示の誤作動っぽいもの

Googleで検索を行うと、検索画面の時点で商品の評価を表示してくれる場合がある。 以下はAmazonの例。スクショはスマホで撮りました。 以下はfilmarksの例。 Amazon、filmarks共にレビューと商品への点数がセットで表示されるサイトである。点数は5点満点。…

日記:「ブリッジ・オブ・スパイ」

スティーブン・スピルバーグ監督がつくる冷戦下におけるスパイの交換を題材にした映画。 スピルバーグがつくった実話を題材にした映画だと、シンドラーのリストとかが有名だけど、私はスピルバーグのそういうタイプの映画だとこれが初見だったり。 そういう…

日記:「シャーロック・ホームズ(映画)」

ガイ・リッチー版アラジンが楽しみになってきてガイ・リッチー版の映画シャーロック・ホームズを見てしまった。(この文章はアラジン公開前に書かれました) ちなみに原作ホームズについては「四つの署名」「シャーロック・ホームズの冒険」「シャーロック・ホ…

日記:「リトル・マーメイド」「美女と野獣」「アラジン」

コードネーム U.N.C.L.E.が御洒落カッコイイ娯楽映画として最高だったので、ガイ・リッチー版実写アラジンが楽しみな今日この頃です。 日記:「コードネーム U.N.C.L.E.」 - しゆろぐ だから、という訳ではないのですが、「リトル・マーメイド」と「美女と野…

日記:「名探偵ピカチュウ」

見てきたぞ! やたら高所から落ちそうになったり、割と派手にバカスカやったり。よくも悪くもハリウッドって感じ。ストーリーの細かい部分には粗が目立つ気もするけど、そういうところについては一切期待していなかったので楽しかった。 なんといっても、実…

小説:無題・リハビリ

小説・百合? 最近書いていないのでリハビリ

日記:「迷路館の殺人」

綾辻行人三冊目。 館シリーズの二作目、水車館の殺人の感想は以下にまとめてある。 日記:上半期に読んだミステリの感想 - しゆろぐ 館シリーズの中でもとりわけ評判のいい作品だが、評判通りの出来だった。 本作は自分が居合わせた事件を再現した推理小説を…

日記:二日目のカレー

「二日目のカレーは美味しい」という決まり文句を信じていない。 いや「二日目のカレーは美味しい」ということ自体は真実かもしれないが、そうであったとしても、私がその美味しさを実感できるほど上等な味覚を持っていない。味の解像度というものが低いのだ…

日記:苦手なタイプの物語の「トンネル」

下の記事がすこし話題になっていた。 物語の「トンネル」を通りたくない人は意外と多いのかもしれない - ジゴワットレポート 詳細は本文を読んでほしいが、ここでいう「トンネル」というのは物語における「胃が痛い展開」とか窮地とかを指している。「トンネ…

メモ:部屋と立ち位置とか距離とかの話 (ひだまりスケッチ×365)

ひだまりスケッチというアニメの2期、ひだまりスケッチ×365*1*2を見ていたんですが、登場人物の一人である沙英さんの部屋の描写がなんとなく気に入ってるので、それについて書こうかと思った。(ので、書く) 念のため書いておくと、ひだまりスケッチは、主に…