日記:「アラジン(実写版)」

ちょっと話題になってるアナ雪2のステルスマーケティングの件でアラジンも疑わしい行為があったとかなんとか。

ディズニー、「アナ雪2」以外でも“ステマ”あったと認める 「アベンジャーズ」「キャプテン・マーベル」「アラジン」でも類似行為か (1/2) - ねとらぼ

そんな訳で、アラジンの感想を放置していたことを思い出したので、雑に完成させました。

当時の感想と、今振り返って書いた感想が混在しているので、テンションの落差が激しいかもしれませんが……。

ネタバレというほどのものはないですが、一応注意。

アラジン (字幕版)

 

見てきた!

あらすじとかは皆知ってるでしょう。前置きはなしだ。

映画館で見た方がいい(なんならもう一回見たい)と思えるシーンとしては、やっぱり冒頭のオープニング。アラビアン・ナイトの音楽とともに、異国情緒溢れるアグラバーの街をカメラが進んでいくカット。人々の喧騒も含めて音響が素晴らしかった。没入感というか、「ここが舞台だ! ここから物語が始まるぞ!」という昂揚感が半端じゃなかった。

アニメ版でもアラビアン・ナイトが流れるオープニングは素晴らしいシーンだったけど、臨場感が圧倒的に増していた印象です。

オープニングに続く「一足お先に」のシーンも素晴らしい。アクションの描写は流石ガイ・リッチーという感じで言うまでもないですが、昼のアグラバーの街並みをすいすい抜けてゆく楽しさ。完全にアトラクションです。

 

アクションに限らず盛り上がるべきシーンは基本的にきっちり盛り上げてくれるし、娯楽映像として望まれるものをきっちり仕上げています。序盤は街の描写に圧倒されるし、ジーニーが登場して以降の派手で愉快な魔法の描写は実写版でも健在だし。

 

あと、アニメ版との大きな変更点で言えば、王女、というか女性としてのジャスミンの描写関連が増えていました。そもそもアラジンにおいてジャスミンの、王家の人間としての結婚というのは重要な物語の推進力なので、現代でその点について触れるなら大きく取り上げざるを得ないテーマだと思います。

結婚を望まれる立場、それでいて国王になれない立場の女性という点についてスポットライトを当てて描いているのですが、その辺、見ているときは「アラジンでこういうテーマを大きく扱ってちゃんと着地できるのか……?」と不安でしたが、まぁそれなりの着地はできていたんじゃないでしょうか。

ただ、そういうテーマにフォーカスする上で少し気になったくだりもありました。アラジンとジャスミンが街を逃げ回るシーンで、アニメ版ではアラジンが屋根(屋上?)から屋根に飛び移ったあと、板か何かを使って急造の橋をつくってジャスミンを補助しようとしたら、ジャスミンが自力で屋根から屋根へ軽々と飛び移る、というくだりがありました。

実写版では、そのくだりがなく、むしろジャスミンが飛ぶのをためらうようなシーンが別にあったと思います。

別に、女性が屋根から屋根に飛び移れないという描写があったからといって、それ自体が差別的とかそういう話にはならないと思います。誰だって屋根から屋根へ飛び移るのは怖い。男である私も怖い。

ですが、アニメでは、そういうことができてしまうプリンセスとして描写されていたジャスミンを、女性の立場というものについて取り扱おうとした実写版で改変してしまうのは、なにか一貫していないような、そんな印象を受けました。

 

あと面白かった点で言うと、ジャファーというキャラクターの再解釈みたいなものが面白かったです。

実写版のジャファーはかつては盗人だった、という設定が追加されていて、アラジンと対比されるようなキャラクターになっていたような気がします。

個人的には、コソ泥からのしあがったジャファーがランプを盗む際に泥棒としての手腕を披露するくだりが、好きです。政治に進言できるまでのしあっがた大悪党がかつて生き抜くために使っていた、コソ泥時代の技術を今更になって使うんですよ? たまらないでしょ?

アラジンの方の描写も、ジャスミンとの絡みの中で、泥棒ということが結構強調されていた描写になっていて、それも面白かったです。ラストシーンとか、王家×犯罪者系のキャラクターの二次創作なんかでありそうな雰囲気だった。