日記:「新米姉妹のふたりごはん」
ドラマやってるらしいけど、そっちじゃなく漫画の方を4巻まで読んだ。
この作品の大筋は、親の再婚によって姉妹となった高校生の二人が、美味しい料理を作ったり食べたりしつつ、仲を深めていくというものだ。料理漫画であり、百合漫画でもある。
(comicwalkerのジャンルに百合が入ってるので)
親の再婚によって姉妹となる、という筋書きは、百合姫で連載していた「citrus」と似ている。
「××しないと出られない部屋」というネットミームがある。
「××」に何が入るかによって意味合いは変わるが、抽象的な共通点を抜き出すと、同じ箱に任意のキャラクターを放り込んで、お互いのやりとりや反応を楽しむ遊びだと思う。ある人間がある人間と関わらざるを得ない状況を作り出し、その二人の関係を楽しむのだ。
そう考えたとき、親の再婚によって姉妹となるという話の型にも、「××しないと出られない部屋」と共通する面が見え隠れする。つまり、親が再婚するという設定も、姉になった人間と妹になった人間が一緒に関わらざるを得ない状況を作り出す設定ではないか、と思う。
そんなことを書いてみたけど、この漫画のあやり(妹)とサチ(姉)は割と相性がよく、露骨に不和とかが出てくる感じではない。なんでこんなことを書いた?
1巻の巻末解説にも書いてあったけど、料理漫画としての面白味は、ちょっと贅沢な食材やあまり身近ではない調理器具が出てくるところ。特に調理器具は、バトル漫画の武器みたいな感じでテンションが上がる。ソーセージ回の、ソーセージメーカーとか。割と料理そのものでエンタメしてる感じがある。
BLには、上質な暮らしみたいなジャンル?があるらしいけど、そこら辺に似てるのかな。よくわからない。もっと俗っぽい感じもする。
料理に入るたび、長髪のあやりが髪を束ねる描写が必ずと言っていいほど入ってくるのがフェティッシュというか、作者が拘りを持ってそうだなと思う。
以下、気に入った回を箇条書きする。大したネタバレはない。
今のところ好きな回。
・ネギソーセージ (1巻)
純粋に食べてみたいなぁと思った。前述の通り、ソーセージメーカーを使った料理の様子も楽しい。料理そのものの発想も面白い。ソーセージをネギに詰めるとかあるんだなぁ。
『新米姉妹のふたりごはん』(柊ゆたか)の「ネギソーセージ」を再現してみた【マンガ食堂それどこ店 2品目】 - ソレドコ
・フライドポテト (2巻)
映画を家で一緒に見よう、せっかくだからフライドポテトをつくろう、という流れの話。暮らしを豊かにする発想みたいなものを感じる。
・アイスクリーム (3巻)
ラムレーズンは美味しい。
・オムライス (4巻)
サチが一人でごはんをつくる話。割と共感できる。チャーハンとかもそうだけど、それなりの量の米をしゃもじで動かしながら炒めるとき、「米重い」ってなるよね。