麻耶雄嵩

日記:「名探偵木更津悠也」

敢えてストレートなタイトルにしたのは相応の理由があります。思うに『名探偵』とは、常に理想に近づこうとする強靭な意思を持った存在でなければなりません。その毅然たる姿勢が、喜んで記述者の立場に甘んじるワトソン役を産むのです。(後略) 香月実朝 (…

日記:「さよなら神様」

以前読んだ「神様ゲーム」の一応の続編。 一応の、というのは、神様である鈴木を除いて、他のキャラクターは引き継がれていないから。個人的には本作の方が好みだったな。 日記:上半期に読んだミステリの感想 - しゆろぐ 何やら特殊な力を持っていることは…

日記:「隻眼の少女」

しばらく前からずーっと読んでいたけど、1部が終わって2部に入ったあたりからは一気に読んだ。 舞台は古式ゆかしき謎の一族がでてくる謎の屋敷。探偵役は母親から探偵業を受け継いだ隻眼の少女、御陵みかげ。初めて事件に関わることとなるデビュー戦。 ワト…

日記:上半期に読んだミステリの感想

3月~5月にかけてミステリ小説をちょっと読んでいたが、途中で感想を書く作業が追い付かなくなっていったので、まとめて雑に感想を書いてみる。 ネタバレはないつもり。 ちなみに今はかなりミステリに飽き気味です。ただ「エラリー・クイーンの冒険」の新訳…

日記:「あいにくの雨で」

この作品で提示される謎はずばり「雪の密室」 現場に残っているのは被害者だけで、被害者は他殺体として発見される。たった一筋の足跡が幻想的に、視覚的に謎をはっきりと提示するから、雪密室の作品はきれいだ。しかしこの作品は雪の密室を扱うくせに、「あ…

日記:「メルカトルと美袋のための殺人」

以前、とりあげた「メルカトルかく語りき」に登場する銘探偵メルカトル鮎とワトスン役の美袋にまつわる短編集です。 日記:「メルカトルかく語りき」「貴族探偵」(ネタバレなし) - しゆろぐ 「メルカトルかく語りき」より以前に発表された作品だが、メルカト…

日記:「友達以上探偵未満」

勝てばホームズ。負ければワトソン。 こんな文章の帯に惹かれていつか読もう、と思っていたのですが、気が付けば手元にありました。麻耶雄嵩の新作。二人の女子高生探偵による推理ショー。松尾芭蕉の俳句に見立てた殺人劇。17年前に亡くなったという、お堀の…

日記:「貴族探偵対女探偵」

前回とりあげた貴族探偵の続編。 日記:「メルカトルかく語りき」「貴族探偵」(ネタバレなし) - しゆろぐ タイトルに「対」と書いてあることからもわかる通り、すべての短編において二つの推理が披露される。当然、真実は片方なので、一度提示された推理がひ…

日記:「メルカトルかく語りき」「貴族探偵」(ネタバレなし)

ひょんなきっかけから麻耶雄嵩作品を読んでいた。メルカトルかく語りきが、初めての麻耶雄嵩作品で、次に貴族探偵を読んだ。 メルカトルかく語りき (講談社文庫) 作者: 麻耶雄嵩 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2014/07/11 メディア: Kindle版 この商品を…