日記:私が好きな、でびでび・でびるの配信4つ
0.はじめに
でびでび・でびるとは、にじさんじに所属してバーチャルライバーとして活動しているおそろしいあくまのことだ。
私はでびでび・でびるの配信を熱心に追っている敬虔な契約者とは言えないが、私の印象に残っている配信をいくつか記録しておく。
- 0.はじめに
- 1.あくまが食レポ!? CIAOちゅ~る
- 2.悪魔とケーキを30分間みつづけるだけ
- 3.【NO SOUND】異文化交流【にじさんじ/でびでび・でびる】
- 4.深田監督といっしょ 映画を語る!【にじさんじ/でびでび・でびる】
- 5.あとがき
でびでび・でびるは悪魔といっても、マスコットキャラクターのような見た目の悪魔である。
具体的には、角の生えたコアラのような外見をしている。実際でびでび・でびるはコアラに親近感を覚えているようで、オーストラリアの火災の際は、ツイートのRT数に応じる形でコアラに対して約13万円の募金をおこなっている*1。
でびでび・でびるが2つのYouTubeチャンネルを持っていることには注意すべきだ。現在メインで使っているのは、この記事で取り上げる配信の中では「【NO SOUND】異文化交流【にじさんじ/でびでび・でびる】」「深田監督といっしょ 映画を語る!【にじさんじ/でびでび・でびる】」の2つの配信を行ったチャンネルのほうだ。もう一つのチャンネルは、収益化が通らなかった旧チャンネルを、企画等で再利用する程度の扱いになっている。
1.あくまが食レポ!? CIAOちゅ~る
初期、というかYoutubeで行った初めての配信である。
CIAOちゅ~るはキャットフードだが、「ゲテモノを食べる」みたいなノリではなく、割とまっとうに食レポをしている。生臭さはあるが、ワインを飲むことで解決するらしい。
初めてのYoutubeLiveなので、冒頭、少々配信に手間取っているところがある。
(例えば、リアルタイムで自分の姿を映すのに失敗していて、静止画で代用している)
本編は1時間だが、15分程度に編集された動画もある。
この配信の見どころは、でびでび・でびるがリスナーに伝えたい己のキャラクターを適格に伝えている点だ。袋を開けるときに手間取る様子がすこし獣っぽかったり。においの嗅ぎ方だったり。
猫のエサを美味しそうに食べ、ワインをがぶがぶ飲む。アニメや漫画に出てきそうな、どこか愛嬌のある、俗物気味のマスコットキャラクター。
いつ言っていたかは忘れたが、でびでび・でびる曰く、悪魔が「私たちの想像する悪魔」に近しい姿を取るのは、「その方が話が早いから私たちの認識に合わせている」といったノリであるようだ。つまり、人間の認識が先にあるということらしい。
であれば、でびでび・でびるがこの配信で見せているキャラクターも、意図的にデザインされたものと言えるだろう。
また、当初は「かわいい」と言われることに必ずしも肯定的ではなかったでびでび・でびるが、
1.人間は猫を崇拝している。
2.人間は猫をかわいいと言う。
3.すなわちかわいいは崇拝の言葉
という謎の三段論法によって、「かわいい」と言われて喜ぶようになるのも面白い。
これも、でびでび・でびるが「話を早くする」ための配慮だと思う。
でびでび・でびるが自分からマスコットのような姿を取っている以上、「かわいい」と言われることは織り込み済みだと思われる。しかしながら、おそろしいあくまが「かわいい」と言われることを喜ぶのは、たとえマスコット的な姿を取っていようとすこし不自然だろう。
そうした不自然さを回避しながら、話を早くするための戦略が、上のような謎の三段論法なのだと思う*2。
2.悪魔とケーキを30分間みつづけるだけ
でびでび・でびるが2018年のクリスマスに行ったリスナー参加型の企画だ。
リスナーもファミリーマートあるいはローソンでケーキを買ってくることで、おそろしいあくまと一緒に同じケーキを眺めることができた。
私は当時この配信について知らなかったので、同じケーキを一緒に見ることはできなかったが、アーカイブでも十分に楽しめる配信だ。
開始早々にでびでび・でびるが発する「白いねぇ」「匂うねぇ」という言葉に戦慄する。
まさかこれだけの内容で30分も配信を続けるのか?
続けるのだ。
とはいえ、CIAOちゅ~る配信で見せた表現力をふんだんに使った30分の配信は、意外と飽きさせない内容になっている。騙されたと思ってケーキを手元に置いて配信を見ると、存外30分はあっという間だ*3。
途中、折り返しとなる15分にサプライズが用意されている。
最初はサプライズのしょーもなさに呆れるが、配信を見ていると、そのサプライズにそれなりの意図があったことがわかってくる。
特に、絵を描いたりものを観察したりすることに慣れていない人は、楽しめる配信になっていると思う。
「お前はいちごの赤さに気が付いたのだ」
ちなみに2019年のクリスマスにも同様の配信をしている。
3.【NO SOUND】異文化交流【にじさんじ/でびでび・でびる】
この配信は、でびでび・でびるが、文字でリスナーとコミュニケーションを取ろうとする配信だ。
当時、でびでび・でびるは風邪で調子を落としていて、特に喉の調子が悪く、普段通り喋るのが難しかったようだ。
リスナーからすれば休んでいてほしいところだが、転んでもただでは起きないのがでびでび・でびるで、「喋れないなら喋らなければじゃない」とばかりに発想を変えて生まれたのがこの配信だ。
が、でびでび・でびるは文字を書くのがすこぶる下手だ*4。
いや、そうじゃない。こう言った方が正しい。
文字を書くのが下手だからこそ成立しているのがこの配信だ。
でびでび・でびるは30分程度かけて本当に他愛もない話をリスナーに伝えようとする。字がとんでもなく下手だから、当然リスナーは読み取るのに苦心する。
だからこそ、他愛もない雑談に付加価値がうまれる。
伝えたいことを何もかも十全に伝えることなんてできない。だからからこそコミュニケーションには価値がある。
この種の考え方は、単に現状を追認するロジックという感じがする。だから、私はあまり好きではない。
不完全なものしか持っていない現状を肯定するために、不完全なものこそ素晴らしいと語ってみせているだけではないか?
でびでび・でびるは、ド下手な字によって意志の疎通が困難な状況を生み出すことによってこういった疑問に応答しているのではないかと思う。
動画時間は50分ほどあるが、本編は30分で終わる。そこからはいわゆる”スパチャ読み”の時間だ。
スパチャ読みとは、お金を払ってチャットを目立たせる機能「スーパーチャット」を行ったリスナーに対して、お礼の意味を込めて名前を呼ぶ行為を指す。
でびでび・でびるは喋らないので、スパチャ読みも当然字を書いて行うのだが、ここも見どころだ。
下手な字を読み取るにしても、文脈やストーリーの助けがあるかないかで、難易度が変わる。しばしばツイッターなどで「人は文章を読んでなどいない。文脈に応じて言葉を拾っているだけ」といった話が流れてくるが、そうした意識と通じるところもある配信だと思う。
4.深田監督といっしょ 映画を語る!【にじさんじ/でびでび・でびる】
でびでび・でびるは映画が好きだ。特にホラー映画が好きなのだが、最近では、映画監督の深田晃司監督とコラボ配信を行っている。
このコラボは全国の小規模映画館の支援、ミニシアターエイド基金の宣伝を兼ねた配信になっていた。
ミニシアターエイド基金のクラウドファンディングはすでに終了しているが、映画に関するトーク、映画に関する現状についての話は今見ても面白いと思う。
しょっぱなから映画監督を「おまえ」呼ばわりするおそろしいあくまに冷や冷やするが、深田監督のノリが結構良い。
これに関連して、でびでび・でびるが映画館の声などをまとめたnoteも公開されている。
でびでび・でびるはこのほかにも映画について語る配信をたくさんしているので、気になる方は調べればいいと思う。
5.あとがき
今回取り上げた配信はでびでび・でびるの一側面に過ぎない。
しょせん私が好きな配信を集めた記事なので、偏っている。
私はバーチャルライバーあるいはVtuberの配信をあんまり人にすすめようとは思わない。結局配信が無数にある中で自分が好きそうなものを選んで回らないと、無数にある配信に埋もれるからだ。
だからこの記事でも、あなたにでびでび・でびるをすすめる気は毛頭ない。私が勝手に語っただけだ。
あなたがでびでび・でびるに関心を抱く人間なら、私がどう言おうと勝手に配信を見るだろう。そうでないなら、私がどう言おうとあなたは配信を見ないだろう。
だから、すすめる必要は特にない。そんな感じでこの記事も終わりにする。
異界の扉が閉じられた~ではな~。(でびでび・でびるの締めのあいさつ)