日記:「4分間のピアニスト」

ピアニストの話が見たいとか、百合系の文脈で紹介されているとかで気になっていた。

※百合系の文脈

レズビアン映画 洋画編(2017年更新) - 奇妙な店長の戯言部屋

映画『4分間のピアニスト』感想 - 石壁に百合の花咲く

極めつけは、どこかの紹介文に書いてあった「ラスト4分間の衝撃的な演奏」みたいな文句。それで、見なくちゃ!という気分になった。

天才だが囚人であるピアニストと、教師が物語の中心になっている。

彼女が劇中で最初に演奏するシーンは、教師と同じ心境・感動が共有できると思う。圧巻のシーン。ラスト4分間の演奏より、こっちや、手錠をしたままピアノを弾くシーンのほうが好きかもしれない。

 

演奏の話はうまく書けないので離れると、教師クリューガーと囚人ジェニーの力関係みたいなものがいい。どちらかといえば粗暴にふるまうジェニーが、音楽という文脈のなかでクリューガーにやり込められたり、逆に、やはりそれで制御しきれない面があったり。また、音楽という面ですらクリューガーは優位に立っているわけではなく、才能に価値を見出しているからこその力関係でもある。緊張がある。

ある種の妨害役として看守が出てくるが、これも簡単な悪役ではない。教師、天才ピアニストの囚人、看守、それを戯画化しすぎず、それぞれのバックボーンをふまえて描き出しているのがいい。

 前回、セブンの感想を無駄に長く書いてしまって力尽き気味かもしれない……。

おもしろかった。

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