日記:「劇場版 響け!ユーフォニアム」「映画けいおん!」
ひとつの記事にまとめた理由としては、京アニだし、ユーフォニアムの感想を書きあぐねていたからごまかすため。
自分が原作至上主義者であることを忘れて、総集編映画を見たけど、やっぱり放送版を見るべきだった!という感じ。今から見ればいいんだけど。
ユーフォニアムは正統派な部活もので青春という感じ。部活ものになるとめちゃめちゃ評価がゆるくなるので、この作品が一般的にどのくらい受けるのかはよくわからなかったけど、よかった。なんとなく冷静で冷めている人が何事かに熱中して、それを恥ずかしいと思わなくなる、そういう瞬間は熱い。ハイキュー10巻とか。
ほかに感情が爆発したのは、ソロパート争いのシーンかなぁ。拍手のくだりに泣く。
放送版で見たかった……。みましょう。
それにしても、自分が全然努力できていない人間なので、他人の努力やその成果を描いた作品を見ていると、自分が覗いてはいけない場所を覗き見ているような気分になる。努力しよう。ユーフォはこんなところ。
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けいおんはアニメをなんとなく見ていたかなぁ程度で、ちゃんと楽しめるかなぁとは思ったけど、なんとなく見てみることにした。
ユーフォが全国を目指すような部活ものなら、けいおんはゆるっとした部活?もの。
映画版は放送版の続編というか、補完のような話で、放送版でも卒業をしっかり描いていたけど、卒業の日のあのエピソードの裏側とか、そういうのを描いている。
なんだかんだ曲にエピソードが付加されていく様子とか、そういうのはずるい。
登場人物が使ってた携帯電話が今でいうガラケーで時代を感じたな……。
けいおんの詳しい感想は、こっから先に、ネタバレあり。
けいおん2期は、しつこいくらいに卒業をほのめかす描写があったような気がする。きちんと見返して確認したわけでもないから、これは俺に残った印象の話にすぎない。
それでもけいおんというアニメが着地点を卒業に向けていたのは確かだろうし、実際に放送版では「天使にふれたよ」の演奏がクライマックスにくる。映画版はあくまでその後を描くのではなく、その補完。
当時、卒業旅行、ロンドン、みたいなのが強く広告されていたイメージがあったけど、それはほとんどフェイクで、結局は「天使にふれたよ」に収束していく作品という印象が強い。その過程で、新しい思い出が追加されたり、卒業式当日朝の最後のライブがあったりする。それでもロンドンでいつも通りの放課後ティータイムが映されることに意味がないわけではなく、どこにいってもいつも通りということで、これからの話が暗示されていたのかもしれない。
ただ時間を過ごしたというだけの場所に、無数の意味が降り積もっていく。
いわゆる日常もののアニメが物語として「終わった」感を出そうとするとき、重要な鍵はそれだと思う。教室にいても、部室にしても、きっとそこまで特別な場所じゃない。もちろんかつて学生だったあなたが教室を思い返したときそれこそが特別な情景だろうが、ロンドンのような、露骨に観光できたり、すごい景色であったりはしない。でも、場所そのものは問題ではない。場所にまつわるエピソードや、時間や、思い出が問題だ。
だからこの作品の演奏はロンドンのイベントから、教室になり、部室になる。観客は減っていく。ローカルなものに変わっていく。
そういう示唆を含んでいる点で、けいおんという作品が苦手な人間も、けいおんの劇場版としてこれはわりと完璧だと言わざるを得ないんじゃないかなーと思う。
(放送当時、どこかのコメントで読んだ内容に似ている気がしてきた……)
こういう点でユーフォがやる演奏とけいおんがやる演奏は、全然性質が違うんだね。いや、語るまでもなく当たり前だけど。
けいおんは当時流行っていたアニメで、俺は好きかどうかでいうと、そこまで好きではなかったような気もする。でも見ていたのだから、それなりに楽しんでいたのかもしれない。どっちにしたって、こんな風にあいまいなことしか言えないような人間にも、そこに存在するキャラクターとそれに関するエピソードの集積が積もっているということが大事。たくさんの思い出を総括する瞬間というのは、強い力を持っている。この作品には、そうした力がこもっている。
なんだかんだけいおんを見ていた人は見て損はないと思う。
ロンドンのイベントで演奏するシーンで飛行機の時間で焦らせる演出とか、教室でのライブシーンで教師が教室に近づいてきてやばいみたいな演出とかはあんまり好きじゃなかった。
「ゲリラライブだぜいえー青春だろ」みたいな雰囲気でもないんだから、ライブシーンくらいゆったり楽しみたかった感がある。