詩:ビスケットのうた

つまらない言葉の羅列を眺めて、解釈をする。

浴びているうちに滝が色づいていくことに気づかない。

目の前の一滴を必死に追いかけて、わからない、と答える。

 

クッキーは、やわらかくて硬い。

ビスケットは、硬くてもろい。

この世のすべてをクッキーとビスケットに分類するなら、愛はクッキーで恋はビスケットだ。すべて粉々に溶けてなくなってしまうから、クッキーもビスケットもおんなじくらい瞬間的で、さわっても壊れないことは、決して永遠の証明にならない。

月曜日の朝の甘いミルクになりたかった。

冬なら、ココアでもいい。

人は長持ちし過ぎるから、明日が来ないことを、つい忘れてしまう。

白い息と白い湯気が混ざり合い、ココアであたたまる瞬間こそすべてだったのに。

 

夏を十九回やめました。

秋も、また二カ月くらいでやめてしまうのでしょう。

新緑と紅葉を対比していいのかわからず、川に流れていくふたつの落ち葉を沈めました。

ぜんぶ終わったことです。

一度散った桜が咲いても、再演でしかありません。