メモ:しゆ的日本語の研究・勉強に役立つページ

1.はじめに

 日本語について思いついたことを横着にもインターネットで検索する日々を続けていたら、ブックマークにそれなりの量のURLが溜まってきた。が、どういう点で有用で、どういうことに適したページなのかということがブックマークでは整理しきれなかったので、ブログという形式でコメントともに保存することにした。

 素人の個人的なメモであるため、公的なページに限らない。後述で紹介するサイトに公的なページへのリンクの載ったものもあるので、それらは必ずしも詳しく紹介しない。むしろちょっとしたトピックがのっているサイトや、サイトに関するコメントが参考になると思う。

 比較的学術的なページと、比較的個人的なページに分けて紹介するが、前者はレポートや論文にそのまま使えそうなページ、後者はそのまま使えるものもあれば、使えないにせよアイディアの助けになりそうなバラエティ豊かなページという分け方をしている。後者に振り分けたからと言って、ページの質が低いという評価があるわけではない。

 随時更新予定。

 

 

2.比較的学術的なページ

 

日本語研究・日本語教育文献データベース | 国立国語研究所

日本語にまつわる研究に特化した文献のデータベース。ciniiとの主な違いは、雑誌ではない論文集や個人による著作も多くカバーしている点。日本語学の重要な文献は必ずしも学会誌にのらないことも多いため、ありがたい。

 

複合動詞レキシコン|日本語複合動詞辞典

複合動詞が前項動詞や後項動詞から検索できる。つまり「打つ」を前項で検索すると「打ち上げる」「打ちつける」「打ち込む」などがヒットし、「込む」を後項で検索すると「倒れ込む」「逃げ込む」「入れ込む」「思い込む」などがヒットする。複合動詞に興味を持っているなら便利。

 

NINJAL-LWP for BCCWJ (NLB)

語を指定して、その語がコーパスのなかでどのようにあらわれているかを検索できる。どのように、というのは頻度であったりもするが、一番分かりやすいのは共起する語である。例えば「書く」が「~を」と共起するとき一番多い用例が「-ことを書く」二番目が「手紙を書く」であると出て来る。二語比較検索が可能なので、意味が似ている語、たとえば「戦う」と「争う」では、「戦う」には「病魔と戦う」のような用例があるのに、「争う」には「病魔と争う」のような用例がない、という比較でわかりやすく語の特徴を探ることができる。

 

コーパス・データベース | 国立国語研究所

ここまでに紹介したような様々なコーパスやデータベースにアクセスできるリンク集。国立国語研究所が作成したものが多いが、寺村誤用例集データベースのようにもともとあったデータを国立国語研究所が権利関係をクリアして公開したものもある。すべて詳しくは紹介しないが、だいたい便利。

 

雑誌『国語学』全文データベース - 簡易検索

日本語学会がまだ国語学会だった頃の機関誌『国語学』の全文データベース。現在の機関誌である『日本語の研究』は歴史言語学的な論文の割合が大きくなっているが、この頃は共時的な文法に関する論文も多かった。当然、最新の文献ではないが、重要文献はたくさんある。

 

「やちまた」日本語学系情報収集サイト

名前の通り、日本語学系の情報収集サイト。学会情報から文献情報まで学術的な情報にはだいたいアクセスできそうな気がする。個人的には論文目録リンクが便利。日本語の論文目録は必ずしも網羅的なものではない。終助詞やとりたて詞といった個々のトピックについてそれぞれの研究者がまとめているものである。そのため個別の目録にアクセスしやすくなるこのリンクはありがたい。

 

無憂斎

このページも、画面左側にある各分野における主要参考文献の目録が有用。尤もトピックによって量に差があり、更新がすこし前に止まっているものが多いため、注意は必要。ただかなり多岐にわたるトピックについて個別に文献目録がつくってあるので、自分に必要なトピックについて調べる際の補助としては便利だと思う。

このサイトをブックマークのどこにやったのか分からなくなったのが更新のきっかけ。

 

東外大言語モジュール

東京外国語大学によってつくられた新しい外国語を学ぶ大学生向けにつくられたインターネット教材。外国語を学ぶため、と書いてあるが、日本語についてのページもある。現在、27言語に対応している。発音モジュール、会話モジュール、文法モジュール、語彙モジュールに分かれており、そのときどきの用途に応じたものを使うといい。

私個人は、「日本語文法のオーソドックスな説明がどんなものか見失ったとき」「ある英語の語順に関するトピックが、同じ孤立語である中国語ではどうなっているか気になったとき」などに使う。浅い使い方をしている。

 

 

 

3.比較的個人的なページ

nihon5ch.net::::TOP::::日本語の言葉、日本語の文法を考えるための素材とツールを提供するサイト

日本語教師経験者の運営するページ。最終更新は2013年。

ch1~ch5までにわかれており、多様なトピックがある。といっても紹介にはならないので主に見ているところを紹介すると、ch5の文法考察ファイル、頭のトレーニングルームなどがおすすめ。文法考察ファイルは当サイトに寄せられた質問に、管理人が回答しているもの。純粋かつ面白い疑問点と、それに関連する研究事項についてまとまっている。トピック探しに役立つかもしれない。頭のトレーニングルームは、日本語教育能力検定試験の対策講座をおこなっていた管理人が書いた、検定の内容に基づいて日本語学の基礎的な部分を学べるページである。

 

Colorless Green Ideas の最新記事|Colorless Green Ideas

言語学を専門にしていた管理人が運営する、言葉についての記事がたくさん載っているページ。

記事の種類はさまざまで、論文執筆にまつわるものから、言葉に関する素朴なトリビア、果てはジョークまで揃えている。記事は簡潔かつ分かりやすく、論文のような構成で綺麗に書かれている。凄い。

おすすめの記事を以下に並べる。

統語ツリーを描く3つの方法|Colorless Green Ideas

特に理論的な言語研究では避けられない統語ツリーを書く方法についての記事。学部生でも、ある種の授業の課題では役立つだろう。

言語学関係の論文がどこで手に入るか|Colorless Green Ideas

電子化された論文が手に入るサイトを掲載している。日本のものに限られていないので、上で述べたようなデータベースにひっかからないものもあるかもしれない。

 

思索の海

言語学の研究者をなさっている管理人によるブログ。

雑記的な一面も強いが、インターネット上で話題になった言語にまつわるトピックについて専門家の立場からのアイディアをまとめていたり、フットワークの軽さも魅力。まとまった文章として書かれたエントリーはだいたいタメになるので、延々にたどって読んでも十分時間の無駄にはならないと思うが、個人的に尊敬しているという私情が挟まっているので、私の意見を参考にしていいかは各自判断してほしい。

具体性のない話に終始したのでおすすめの記事をいかに並べる。

授業の資料公開:(日本語学における)文章研究の文献の探し方+α - 思索の海

ここまで何度も紹介してきた文献の探し方にまつわる記事だが、授業の資料ということで解説が手厚い。日本語にまつわる主要な学会誌の簡単なコメントがあるのも個人的に"推せる"ポイント。(不良学部生としては)あまり聞かないような先行研究としての科研費報告書にまで言及しており視野の広い記事。実際、管理人の方はReseachMapで科研費報告書を自主的に公開なさっている(余談)。

動詞「まなざす」は“日本語として”おかしいか - 思索の海

「『まなざす』って日本語おかしくない?/気持ち悪くない?」というある種素朴な意見について、日本語を専門にした立場から述べている記事。日常と言葉についての見方、向き合い方という点で参考になると思う。

【研究ノート】「ドラゴンクエスト」シリーズにおける呪文名の形態論的記述に向けて - 思索の海

タイトルの通り。

 

4.おわりに

 もうすこし紹介したいサイトはあったが疲れたので終わりにする。これはあくまで自分用のメモというのが第一の目的であり、メモを書いていて文献を読めなくなったら本末転倒である。

 文献に関するページもいくつか紹介したので、蛇足だが、最後に自分がやる文献の探し方も付記しておく。

 それは、自分が気になるトピックについて書いている研究者を見つけたら、その人の執筆した論文のタイトルをすべて知るというものだ。論文はそれひとつで完結するものとして書かれていない。先行研究、巨人の肩に立つという意味でもそうだが、ここではその人の興味・疑問のごく一部しか単一の論文にはあらわれていないことが多い、という意図で言った。つまり、あなたの気になるトピックについてひとつ論文を書いている研究者は、たいてい別の角度から、もしくは別の現象から、類似のトピックについて扱っている。そこをさらえば、検索にはひっかからないものでも自分の研究に関係する記述が見つけられるというわけだ。自分のページで論文一覧を公開している研究者もそれなりにいる。そうでなくても、所属大学の業績一覧やReseachMapを見ればだいたいの論文のタイトルくらいはわかる。その中で、関連しそうな内容を見ていくというのも文献探しのひとつのテクニックであろう。