読書

日記:「ダンガンロンパ霧切」(1)~(7)

ダンガンロンパ(初代)のゲーム配信がラストまで解禁になったそうです。 もちろん、初代のゲーム配信を見て2やV3を買う人もいるので販促にはなるんだろうけど、この手のゲームって配信許諾出して大丈夫なのか?と勝手に心配する気持ちもあったんですが………… …

日記:「ハサミ男」

ハサミ男を読みました。 連続殺人鬼のターゲットになっていた少女が、連続殺人鬼の模倣犯に殺され、当の連続殺人鬼が推理を始めるという一風変わった話です。そんな話ですが、連続殺人鬼視点の文章だからといって、過度に支離滅裂な、いかにも「シリアルキラ…

日記:「本と鍵の季節」

言いたいことだけを言うのは難しい。言いたくないことまで伝わってしまう。言いたいことの方は、たいてい歪んでしまうのに。 米澤穂信『本と鍵の季節』p.208 久々に小説を読んだ気がします。 誰も来ない図書室で仕事をする、図書委員会の男子生徒ふたりと、…

日記:「さよならオルタ」

「やがて君になる」でおなじみ仲谷鳰の短編集。 各短編に作者のコメントがついているので、アンソロジー等で既に読んだことがあるという人も、購入して損はないと思います。 優しさとの距離/薄情? 作者のコメントの中で、読後までずっと引っかかっている言…

日記:「さよなら神様」

以前読んだ「神様ゲーム」の一応の続編。 一応の、というのは、神様である鈴木を除いて、他のキャラクターは引き継がれていないから。個人的には本作の方が好みだったな。 日記:上半期に読んだミステリの感想 - しゆろぐ 何やら特殊な力を持っていることは…

日記:「時計館の殺人」感想編

前に更新した推理編に続いて、最後まで読んだので感想編です。 日記:「時計館の殺人」推理編 - しゆろぐ 前回は既読者向けでしたが、この記事はネタバレなしの感想パートとネタバレありの感想パートに分かれています。 館シリーズだと、十角館はブログに感…

日記:「時計館の殺人」推理編

「人形館」に続いて、「時計館の殺人」を読んでいる。 個人的に、水車館以降の館シリーズは「時計館」をひとまずの目標として読んでいたところがある。ミステリとしては、割とストレートな内容とも聞いている。 そんな訳で、ちゃんと推理をしてから解決編を…

日記:「人形館の殺人」

一年に一冊ペースくらいで読んでいる館シリーズの4冊目。 日記:「迷路館の殺人」 - しゆろぐ 怪奇小説・幻想小説風の一人称小説 館シリーズの中では異色な作品、と語っている感想をよく見る。実際、異色です。 推理小説というより、どこか怪奇小説・幻想小…

日記:「ノッキンオン・ロックドドア2」

1を文庫本で買ったのに、2をハードカバーで買ってしまった……。 (シリーズものは揃ってないと気になる) ただ、あまりに面白かったため……。 日記:「ノッキンオン・ロックドドア」 - しゆろぐ 1作目と同様、連作短編集。 1作目の方は、チープ・トリックの屋号…

日記:「ユダの窓」

あの部屋が普通の部屋と違っているわけではない。家に帰って見てみるんじゃな。ユダの窓はお前さんの部屋にもある。この部屋にもあるし、中央刑事裁判所の法廷にも必ずある。ただし、気づくものはほとんどおらん。 (p.96) 長らく絶版だったようなのですが、2…

日記:「いまさら翼といわれても」

古典部シリーズの現行最新短編集。 「巴里マカロンの謎」の感想を書いて、そういえば感想書いてなかったなと思ったので、書く。 日記:「巴里マカロンの謎」 - しゆろぐ 今回はネタバレなし。 折木奉太郎という人間 「鏡には映らない」「連峰は晴れているか…

日記:「巴里マカロンの謎」

小市民シリーズ11年ぶりの最新刊だそうです。心待ちにしていました。 国名シリーズ風のタイトル 小市民シリーズはこれまで『春期限定いちごタルト事件』『夏期限定トロピカルパフェ事件』『秋期限定栗きんとん事件』の3作が発売されていますが、『巴里マカロ…

日記:「虚構推理 スリーピング・マーダー」

虚構推理シリーズ第3弾。長編2作目。 1作目・短編集の感想はこちら。 日記:「虚構推理」 - しゆろぐ 日記:「虚構推理短編集 岩永琴子の出現」 - しゆろぐ 長編といっても、前半は連作短編のような感じ。 高校生時点での琴子のエピソードや、ラスボスポジシ…

日記:「虚構推理短編集 岩永琴子の出現」

虚構推理シリーズ第2弾となる短編集。 タイトルは「虚構推理」だが、一作目ほどには「虚構推理」をしていない短編も入っている。 どちらかと言えば、「虚構推理」シリーズの世界やキャラクターが出演する番外編という感じで、全部が全部「虚構推理」という感…

日記:「虚構推理」

アニメ化したので講談社タイガ版を再読。 ストーリーの大筋は覚えていたけど、キャラクターは全然覚えていないくらいの状態だったので、ノベルス版とタイガ版で変更点があってもわかりません。 なんといってもこの作品の肝はタイトル通り「虚構推理」にある…

日記:「ノッキンオン・ロックドドア」

イチオシのミステリ作家・青崎有吾の連作短編集を読みました。 日記:「体育館の殺人」 - しゆろぐ 日記:上半期に読んだミステリの感想 - しゆろぐ 日記:「図書館の殺人」 - しゆろぐ 最近、文庫化されたもので、コンセプトは「不可”解”担当と不可”能”担当…

日記:「新米姉妹のふたりごはん」(6)

私は古畑任三郎シリーズで言うと、2nd seasonが好きだ。 1st seasonでできあがった定型に基づいて、すこしひねりが利いていたり、深みが出ていたりする作風になっているのが、古畑任三郎の2nd seasonだと思っている。勿論、1st seasonも素晴らしいが、「熟成…

日記:「新米姉妹のふたりごはん」(5)

お詫び。 前回の記事でこんなことを書いた。 料理に入るたび、長髪のあやりが髪を束ねる描写が必ずと言っていいほど入ってくるのがフェティッシュというか、作者が拘りを持ってそうだなと思う。 日記:「新米姉妹のふたりごはん」 - しゆろぐ そもそもあやり…

日記:パズルのような人間関係とその解法「やがて君になる」完結によせて

「やがて君になる」の8巻を読んだ。最終巻。8巻は、一冊のほとんどがエピローグという感じ。エピローグが長い話は好きだ。なんというか、エピローグというものは情報が断片的だからこそ、隙間に垣間見えるあらゆることが豊かに、輝いて見える。 このブログで…

日記:「新米姉妹のふたりごはん」

ドラマやってるらしいけど、そっちじゃなく漫画の方を4巻まで読んだ。 この作品の大筋は、親の再婚によって姉妹となった高校生の二人が、美味しい料理を作ったり食べたりしつつ、仲を深めていくというものだ。料理漫画であり、百合漫画でもある。 (comicwalk…

日記:「迷路館の殺人」

綾辻行人三冊目。 館シリーズの二作目、水車館の殺人の感想は以下にまとめてある。 日記:上半期に読んだミステリの感想 - しゆろぐ 館シリーズの中でもとりわけ評判のいい作品だが、評判通りの出来だった。 本作は自分が居合わせた事件を再現した推理小説を…

日記:「やがて君になる 佐伯沙弥香について」

読んだ。 「佐伯沙弥香について」と題するスピンオフにふさわしく、キャラクター形成の細部が丁寧な作品だった。 感想:佐伯沙弥香は大学選びでも人間関係を理由にして遠くに行く選択をしてほしい。たぶんそうはならないけど……。 ネタバレあり。 やがて君に…

日記:「隻眼の少女」

しばらく前からずーっと読んでいたけど、1部が終わって2部に入ったあたりからは一気に読んだ。 舞台は古式ゆかしき謎の一族がでてくる謎の屋敷。探偵役は母親から探偵業を受け継いだ隻眼の少女、御陵みかげ。初めて事件に関わることとなるデビュー戦。 ワト…

日記:「図書館の殺人」

平成のエラリー・クイーン青崎有吾のデビュー作「体育館の殺人」から連なる裏染天馬シリーズ4作目の感想です。 「体育館の殺人」は「今ミステリが読みたいならこれを読め」と言っても良いほど、エンタメ・ミステリとしての完成度がすこぶる高い作品なのです…

日記:上半期に読んだミステリの感想

3月~5月にかけてミステリ小説をちょっと読んでいたが、途中で感想を書く作業が追い付かなくなっていったので、まとめて雑に感想を書いてみる。 ネタバレはないつもり。 ちなみに今はかなりミステリに飽き気味です。ただ「エラリー・クイーンの冒険」の新訳…

日記:「体育館の殺人」

体育館の殺人をかいつまんで説明するなら、「わかりやすく、スリリングで、何より由緒正しき本格推理小説」みたいな感じになります。 だから、「読んでてつらくなくて本格ミステリの面白みがわかる作品ある?」みたいなことを聞かれたら、間違いなく「体育館…

日記:「あいにくの雨で」

この作品で提示される謎はずばり「雪の密室」 現場に残っているのは被害者だけで、被害者は他殺体として発見される。たった一筋の足跡が幻想的に、視覚的に謎をはっきりと提示するから、雪密室の作品はきれいだ。しかしこの作品は雪の密室を扱うくせに、「あ…

日記:「Yの悲劇」

エラリー・クイーン最大の傑作が何か、とミステリファンに問うたら、きっと意見が分かれるでしょう。国名シリーズのどれか? 悲劇四部作? ライツヴィルもの? しかし、エラリー・クイーンが最も傑作を生みだした年というのなら、間違いなく1932年です。この…

日記:「Xの悲劇」

国名シリーズを執筆するかたわら、「バーナビー・ロス」という新たな筆名を用いてエラリー・クイーンが出版した悲劇四部作の一作目。 そもそもエラリー・クイーンが二人組の覆面作家だったのをいいことに、一方がバーナビー・ロス役、一方がエラリー・クイー…

日記:「エジプト十字架の秘密」

な、長かった。 初期エラリー・クイーンの傑作群、国名シリーズの5作目です。私はまだ「フランス白粉」とこれしか読んでいないので2番目に読んだことになります。 日記:「フランス白粉の秘密」 - しゆろぐ 国名シリーズの中では人気の作品だったけど、いか…