感想

日記:「ダンガンロンパ霧切」(1)~(7)

ダンガンロンパ(初代)のゲーム配信がラストまで解禁になったそうです。 もちろん、初代のゲーム配信を見て2やV3を買う人もいるので販促にはなるんだろうけど、この手のゲームって配信許諾出して大丈夫なのか?と勝手に心配する気持ちもあったんですが………… …

日記:「ハサミ男」

ハサミ男を読みました。 連続殺人鬼のターゲットになっていた少女が、連続殺人鬼の模倣犯に殺され、当の連続殺人鬼が推理を始めるという一風変わった話です。そんな話ですが、連続殺人鬼視点の文章だからといって、過度に支離滅裂な、いかにも「シリアルキラ…

日記:「本と鍵の季節」

言いたいことだけを言うのは難しい。言いたくないことまで伝わってしまう。言いたいことの方は、たいてい歪んでしまうのに。 米澤穂信『本と鍵の季節』p.208 久々に小説を読んだ気がします。 誰も来ない図書室で仕事をする、図書委員会の男子生徒ふたりと、…

日記:最近読んだ漫画の感想(2020年後半)

複数巻ある漫画の感想を書くのが苦手なので、まとめて一言コメントを残しておきたいと思います。 最近とは言うが、時期はかなり広い。 「水は海に向かって流れる」「違国日記」「さんかく窓の外側は夜」「おとなになっても」「マイ・ブロークン・マリコ」「…

日記:「文学少女対数学少女」

記号化された人物、人物の行動が構成する命題、その命題からなうる公理系、そこにいくつかの推論規則が加わって——それが推理小説――にして形式体系――にしてメタ数学だよ! (『文学少女対数学少女』loc.165 of 3860)*1 『雪が白いときかつそのときに限り』の…

日記:「名探偵木更津悠也」

敢えてストレートなタイトルにしたのは相応の理由があります。思うに『名探偵』とは、常に理想に近づこうとする強靭な意思を持った存在でなければなりません。その毅然たる姿勢が、喜んで記述者の立場に甘んじるワトソン役を産むのです。(後略) 香月実朝 (…

日記:「さよならオルタ」

「やがて君になる」でおなじみ仲谷鳰の短編集。 各短編に作者のコメントがついているので、アンソロジー等で既に読んだことがあるという人も、購入して損はないと思います。 優しさとの距離/薄情? 作者のコメントの中で、読後までずっと引っかかっている言…

日記:「さよなら神様」

以前読んだ「神様ゲーム」の一応の続編。 一応の、というのは、神様である鈴木を除いて、他のキャラクターは引き継がれていないから。個人的には本作の方が好みだったな。 日記:上半期に読んだミステリの感想 - しゆろぐ 何やら特殊な力を持っていることは…

日記:「時計館の殺人」感想編

前に更新した推理編に続いて、最後まで読んだので感想編です。 日記:「時計館の殺人」推理編 - しゆろぐ 前回は既読者向けでしたが、この記事はネタバレなしの感想パートとネタバレありの感想パートに分かれています。 館シリーズだと、十角館はブログに感…

日記:「人形館の殺人」

一年に一冊ペースくらいで読んでいる館シリーズの4冊目。 日記:「迷路館の殺人」 - しゆろぐ 怪奇小説・幻想小説風の一人称小説 館シリーズの中では異色な作品、と語っている感想をよく見る。実際、異色です。 推理小説というより、どこか怪奇小説・幻想小…

日記:「ノッキンオン・ロックドドア2」

1を文庫本で買ったのに、2をハードカバーで買ってしまった……。 (シリーズものは揃ってないと気になる) ただ、あまりに面白かったため……。 日記:「ノッキンオン・ロックドドア」 - しゆろぐ 1作目と同様、連作短編集。 1作目の方は、チープ・トリックの屋号…

日記:「ユダの窓」

あの部屋が普通の部屋と違っているわけではない。家に帰って見てみるんじゃな。ユダの窓はお前さんの部屋にもある。この部屋にもあるし、中央刑事裁判所の法廷にも必ずある。ただし、気づくものはほとんどおらん。 (p.96) 長らく絶版だったようなのですが、2…

日記:「いまさら翼といわれても」

古典部シリーズの現行最新短編集。 「巴里マカロンの謎」の感想を書いて、そういえば感想書いてなかったなと思ったので、書く。 日記:「巴里マカロンの謎」 - しゆろぐ 今回はネタバレなし。 折木奉太郎という人間 「鏡には映らない」「連峰は晴れているか…

日記:「巴里マカロンの謎」

小市民シリーズ11年ぶりの最新刊だそうです。心待ちにしていました。 国名シリーズ風のタイトル 小市民シリーズはこれまで『春期限定いちごタルト事件』『夏期限定トロピカルパフェ事件』『秋期限定栗きんとん事件』の3作が発売されていますが、『巴里マカロ…

日記:「虚構推理 スリーピング・マーダー」

虚構推理シリーズ第3弾。長編2作目。 1作目・短編集の感想はこちら。 日記:「虚構推理」 - しゆろぐ 日記:「虚構推理短編集 岩永琴子の出現」 - しゆろぐ 長編といっても、前半は連作短編のような感じ。 高校生時点での琴子のエピソードや、ラスボスポジシ…

日記:「虚構推理短編集 岩永琴子の出現」

虚構推理シリーズ第2弾となる短編集。 タイトルは「虚構推理」だが、一作目ほどには「虚構推理」をしていない短編も入っている。 どちらかと言えば、「虚構推理」シリーズの世界やキャラクターが出演する番外編という感じで、全部が全部「虚構推理」という感…

日記:「虚構推理」

アニメ化したので講談社タイガ版を再読。 ストーリーの大筋は覚えていたけど、キャラクターは全然覚えていないくらいの状態だったので、ノベルス版とタイガ版で変更点があってもわかりません。 なんといってもこの作品の肝はタイトル通り「虚構推理」にある…

日記:「君の名前で僕を呼んで」

音楽がいい映画だった。すごく。 DVDをレンタルしてみたけど、開始一秒OPの最初を見て、映画館に行けばよかったとすこし後悔した。 人間のやりとりや機微、恋愛を描いた映画って映画館で見なくてもいいかなーと正直思ってたけど、ちょっと反省。 全体的に透…

日記:「アラジン(実写版)」

ちょっと話題になってるアナ雪2のステルスマーケティングの件でアラジンも疑わしい行為があったとかなんとか。 ディズニー、「アナ雪2」以外でも“ステマ”あったと認める 「アベンジャーズ」「キャプテン・マーベル」「アラジン」でも類似行為か (1/2) - ね…

日記:「ノッキンオン・ロックドドア」

イチオシのミステリ作家・青崎有吾の連作短編集を読みました。 日記:「体育館の殺人」 - しゆろぐ 日記:上半期に読んだミステリの感想 - しゆろぐ 日記:「図書館の殺人」 - しゆろぐ 最近、文庫化されたもので、コンセプトは「不可”解”担当と不可”能”担当…

日記:「新米姉妹のふたりごはん」(6)

私は古畑任三郎シリーズで言うと、2nd seasonが好きだ。 1st seasonでできあがった定型に基づいて、すこしひねりが利いていたり、深みが出ていたりする作風になっているのが、古畑任三郎の2nd seasonだと思っている。勿論、1st seasonも素晴らしいが、「熟成…

日記:「新米姉妹のふたりごはん」(5)

お詫び。 前回の記事でこんなことを書いた。 料理に入るたび、長髪のあやりが髪を束ねる描写が必ずと言っていいほど入ってくるのがフェティッシュというか、作者が拘りを持ってそうだなと思う。 日記:「新米姉妹のふたりごはん」 - しゆろぐ そもそもあやり…

日記:パズルのような人間関係とその解法「やがて君になる」完結によせて

「やがて君になる」の8巻を読んだ。最終巻。8巻は、一冊のほとんどがエピローグという感じ。エピローグが長い話は好きだ。なんというか、エピローグというものは情報が断片的だからこそ、隙間に垣間見えるあらゆることが豊かに、輝いて見える。 このブログで…

日記:「新米姉妹のふたりごはん」

ドラマやってるらしいけど、そっちじゃなく漫画の方を4巻まで読んだ。 この作品の大筋は、親の再婚によって姉妹となった高校生の二人が、美味しい料理を作ったり食べたりしつつ、仲を深めていくというものだ。料理漫画であり、百合漫画でもある。 (comicwalk…

日記:「ジョーカー」

ネタバレなし感想 見てきました。 バットマンシリーズの有名な悪役、ジョーカーが生まれるまでを描いた映画です。 ジョーカーの過去はシリーズでも一定ではないらしく、今回の過去もまた一つの解釈っぽいので、その辺は注意。「ないらしい」と伝聞形で書いて…

日記:「ブリッジ・オブ・スパイ」

スティーブン・スピルバーグ監督がつくる冷戦下におけるスパイの交換を題材にした映画。 スピルバーグがつくった実話を題材にした映画だと、シンドラーのリストとかが有名だけど、私はスピルバーグのそういうタイプの映画だとこれが初見だったり。 そういう…

日記:「シャーロック・ホームズ(映画)」

ガイ・リッチー版アラジンが楽しみになってきてガイ・リッチー版の映画シャーロック・ホームズを見てしまった。(この文章はアラジン公開前に書かれました) ちなみに原作ホームズについては「四つの署名」「シャーロック・ホームズの冒険」「シャーロック・ホ…

日記:「リトル・マーメイド」「美女と野獣」「アラジン」

コードネーム U.N.C.L.E.が御洒落カッコイイ娯楽映画として最高だったので、ガイ・リッチー版実写アラジンが楽しみな今日この頃です。 日記:「コードネーム U.N.C.L.E.」 - しゆろぐ だから、という訳ではないのですが、「リトル・マーメイド」と「美女と野…

日記:「名探偵ピカチュウ」

見てきたぞ! やたら高所から落ちそうになったり、割と派手にバカスカやったり。よくも悪くもハリウッドって感じ。ストーリーの細かい部分には粗が目立つ気もするけど、そういうところについては一切期待していなかったので楽しかった。 なんといっても、実…

日記:「迷路館の殺人」

綾辻行人三冊目。 館シリーズの二作目、水車館の殺人の感想は以下にまとめてある。 日記:上半期に読んだミステリの感想 - しゆろぐ 館シリーズの中でもとりわけ評判のいい作品だが、評判通りの出来だった。 本作は自分が居合わせた事件を再現した推理小説を…